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武田 信和; 柴沼 清
プラズマ・核融合学会誌, 80(11), p.988 - 990, 2004/11
本研究では、ITERの主要機器である真空容器とトロイダル磁場コイルに関する地震時における動解析を行うために、板バネ等の複雑な構造で構成された重力支持脚の簡易化した数値解析モデルを提案している。具体的には、板バネとボルトによって構成された重力支持脚を2本のバネ要素のみによってモデル化した。このバネモデルは、実際の構造を忠実に模擬したシェルモデルとよく一致した。提案したバネモデルを用いて、ITERの候補地である六ヶ所村における設計地震動に対する、真空容器とトロイダル磁場コイルの動解析を実施した。その結果、真空容器とトロイダル磁場コイルとの間の相対変位は8.6mmであり、設計要求である100mmを大きく下回り、地震時におけるITERトカマクの主要機器の健全性が確認された。
武田 信和; 中平 昌隆; 多田 栄介; 藤田 聡*; 藤田 隆史*
日本地震工学会論文集(インターネット), 4(3), p.298 - 304, 2004/04
ITERはトカマク型の国際核融合実験装置であり、主要機器は、超伝導コイル,真空容器等で、運転温度は4Kから200Cまでと幅広い。このため、主要機器の支持構造はトーラス構造の半径方向に柔軟,鉛直方向に剛となるよう、多層板バネ構造を採用している。この結果トカマク装置の水平方向固有振動数は4Hzと低く、さらに地震に対しては国際標準のIAEAに照らし、地表加速度0.2gで標準設計しており、これを超える地震を想定する場合は免震が必要となる。これらの特殊事情により、ITERの動的特性を把握するための解析,実験を日本で実施している。動解析では、日本のサイト及び免震を考慮した地震動により装置の健全性を確認した。この裏付けデータ取得のため、縮小モデルの振動試験体の製作を開始した。最初の試験として、コイル単体及び支持脚単体の固有振動数及び剛性データを取得した。本論文では、ITER主要機器の動特性を把握する日本の解析及び実験の現状と計画を述べる。
徳田 伸二
プラズマ・核融合学会誌, 78(9), p.913 - 924, 2002/09
トロイダルプラズマの安定性解析の方法に関して、その最近の発展について入門的な解説を行った。臨界安定が連続スペクトルの端点になっている磁気流体力学系における摂動解析に、特に、力点をおき、そのような問題に適切な漸近接続法に注目する。そこではNewcomb方程式と内部層方程式が本質的な役割を果し、それらの数値計算法を議論する。
大石 哲也; 吉田 真
Journal of Nuclear Science and Technology, 38(12), p.1115 - 1119, 2001/12
原子力施設から放出される放射性ガスの放射能を精度良く評価するためには、適切に校正されたガスモニタを使用しなければならない。ガスモニタの多くは、閉ループ校正法により校正されている。この校正法においては放射性ガスの定常放出が仮定されているが、実際の放出では非定常放出も生じる。非定常放出に対する従来の校正法の適用性を確認するため、放射性ガスの短時間における注入に対し、3種類の典型的なガスモニタの応答を解析した。レスポンス曲線の解析等の結果、注入されたガスの分布は瞬時に均一になることが判明した。また、閉ループ校正法により決定した校正定数は、放射性ガスの短時間注入に対して適用できることがわかった。これらの結果より、従来の校正法が非定常放出にも適用できることが実験により示された。
堤 英明*; 山田 博幸; 寺垣 俊男*; 蛯沢 勝三; 柴田 勝之
Seismic Engineering 2000 (PVP-Vol.402-1), p.141 - 146, 2000/00
原研では、1991年より安全上重要な機器に免震技術を導入した場合の有効性評価手法及び評価コードを開発しており、それらの高度化を目的として機器免震システムの有効性確証試験を実施している。確証試験では、原子力機器を模擬した2次元及び3次元機器免震試験システムを設計・製作し、大洗研究所敷地内のテストベッド上に設置して、自然地震動における応答観測を行っている。また、静加力試験と自由振動試験を行い、各試験システムの復元力特性と振動特性を求めた。本論文は、上記2次元及び3次元機器免震試験システムの概要、特性試験結果ならびに1999年3月26日に茨城県日立市で発生した地震動(M5.1,最大加速度86Gal)の地震動に対する応答観測結果についてまとめたものである。
丸山 結; 五十嵐 実*; 中村 尚彦; 橋本 和一郎; 杉本 純
The 3rd JSME/ASME Joint Int. Conf. on Nuclear Engineering, Vol. 3, 0, p.1247 - 1251, 1995/00
原子炉配管内における熱流動挙動は、FPの挙動及び構造健全性に多大な影響を及ぼす。原研では、配管信頼性実証試験(WIND)計画の中でPWRホットレグ内における熱流動解析を実施している。本解析では、ホットレグ内壁に沈着したFPから放出される崩壊熱及びホットレグ入口における流体速という2つのパラメータの影響を調べた。両パラメータの流体温度の軸方向分布には大きな影響を与えたが、ホットレグ断面の流動パターンにはあまり影響しなかった。ホットレグ内流体の対流(中心部で上昇流、内壁に沿った下降流)の形成が予測された。熱流動挙動が及ぼすFPエアロゾル沈着及び配管の構造健全性への影響を考察した。
高津 英幸; 清水 正亜; 大久保 実
Transactions of the American Nuclear Society, 52, p.232 - 233, 1986/00
JT-60コイル通電試験において真空容器の動的挙動を調べ、設計で行った動的応答解析の妥当性を検討した。 通電試験では真空容器に取り付く水平ポートの振動が顕著であり、この部分の挙動に着目して真空容器の振動モニターを行った。それによれば、振動の固有振動数は50Hz付近にあり、固有値解析で得られた値46.3Hzと良い一致を示した。 動的応答解析で得られた真空容器の46.3Hzの高周波成分の変位振幅は約0.1mmであるのに対し、水平ポート先端では約0.5mmの変位振幅が得られた。この差は厚肉リングとポートのレバー比の効果で説明できることが示された。 以上より、真空容器の動的応答解析の妥当性が示された。
幾島 毅; 本間 敏秋*
日本原子力学会誌, 27(2), p.145 - 158, 1985/00
被引用回数:2 パーセンタイル:37.51(Nuclear Science & Technology)本報告書は、ブロック型燃料高温ガス炉炉心の耐震性を明らかにするために実施された2次元炉心模型による耐震実験とその解析結果をもとに、実際の炉心の地震応答特性について論じたものである。次の内容について記述されている。(1)相似則の導出および相似則を使用して模型実験結果から実際の炉心の応答値の推定方法、(2)垂直2次元炉心模型および水平2次元炉心模型による実験結果から実際の3次元炉心の地震応答特性の推定、(3)耐震上好ましい炉心構造の検討。
久木田 豊; 生田目 健; 竹下 功; 斯波 正誼
JAERI-M 82-188, 59 Pages, 1982/12
格納客器圧力抑制系信頼性実証試験に使用されている圧力変換器の動特性を、既知の特性を有する変換器との比較によって計測した。この結果、良好な特性を得るためには導圧管内の気泡の除去に注意すべきことが明らかになった。試験結果にもとづき圧力変換器の改造を行い、200Hz以下の周波数で充分に良好な特性が得られるようになった。また、導圧管の共振周波数が集中定数系モデルにより子測できることを示した。
高津 英幸; 清水 正亜; 太田 充; 今井 兼久*; 小野 令*; 南 真和*
Nucl.Eng.Des., 71, p.161 - 172, 1982/00
被引用回数:5 パーセンタイル:53.34(Nuclear Science & Technology)JT-60の真空容器の動的応答解析を3種類の電磁力に対して行った。最も着目されるベローズの動的応答は、厚曲リングによる強制変位による成分、慣性力による成分及びベローズ自身に作用する電磁力による成分の3つに分けて求めた。固有値解析の結果、典型的な鞍型電磁力に対応する固有モードは約46.3Hzの固有振動数を有していることがわかった。また、動的解析の結果、プラズマ1msec消滅時には動的応答が顕著であるのに対し、プラズマ50msec消滅時や立ち上げ時は、応答は準静的である事がわかった。また、真空容器の挙動は、主に鞍型電磁力によって支配されており、反鞍型電磁力が与える影響は小さい事が明らかになった。
高津 英幸; 清水 正亜; 太田 充; 中村 義隆*; 酒井 啓一*; 内野 和雄*
Nucl.Eng.Des., 74(3), p.325 - 337, 1982/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.02(Nuclear Science & Technology)トカマク型核融合装置の運転は本質的にパルス的であるので、機器の構造設計において繰返し荷重による疲労は重要である。特に、真空容器はプラズマと電磁気的結合が強く、動的な電磁力による疲労が設計を左右する。本論文では、これらに適応できる疲労評価手法の提案を行う。この手法は電磁力に対する詳細な動的応答解析に基いており、過渡応答とそれに引き続く自由減衰振動とに分けて疲労評価を行う。過渡応答時の応力振幅はレインジ・ペア法で計ぬされており、疲労損傷は過渡応答時及び自由減衰振動時のいずれもマイナ則に基いて評価される。本手法をJT-60へ適応した。疲労評価は、JT-60真空容器で最も大きい応力が予想されるベローズ継手、ベローズ第1山及び大口径ポート付根の3ヶ所について行い、最大累積損傷は0.26である事が明らかとなり、電磁力の疲労という観点からJT-60真空容器の健全性が示された。
幾島 毅; 本間 敏秋*
Journal of Nuclear Science and Technology, 18(7), p.514 - 524, 1981/00
被引用回数:3 パーセンタイル:45.64(Nuclear Science & Technology)ブロック型燃料から構成された高温ガス炉の耐震研究の一環として、炉心を垂直に切断した垂直2次元炉心モデルによる振動実験を実施して、炉心の振動特性を明らかにした。 得られた結果は次の通りである。 (1)側方反射体を柔支持した場合、剛支持に比較してコラムの変位は大きいが、衝突力は小さい。 (2)剛支持ではダウェル力は柔支持よりも小さい。 (3)ガス圧力差はコラムの変位と衝突力を小さくする。
幾島 毅; 白木 万博*; 本間 敏秋*
日本機械学会論文集,C, 47(415), p.292 - 297, 1981/00
ブロック状黒鉛燃料から構成された高温ガス炉炉心の耐震設計のため、炉心構成要素であるブロックの運動と衝突力を予測する必要がある。このため、周辺固定された6本のブロックを積み上げたコラム内におかれた中央の自立コラムの振動特性を実験によって明らかにした。得られた結果は、(1)コラムはソフトスプリングとハードスプリングの両特性を有する。(2)コラムはふれ回り運動をする。(3)コラム上下間の圧縮力はコラムの共振振動数を上昇させる。
宇賀 丈雄; 白木 万博*; 本間 敏秋*; 松林 博*; 稲塚 久*; 中島 宣文*
三菱重工技報, 17(3), p.350 - 362, 1980/00
ポンプとしては比較的単純な回転体構造から成る単段両吸込型の余熱除去ポンプについて主に実験的な立場から耐震性の検討を行った。その結果、(1)ポンプの主要部分の固有振動数が地震の卓越振動数よりも十分大きい場合、地震に対してポンプの運転機能におよぼす影響はほとんどない。(2)PWR用余熱除去ポンプが実際に取付けられている場所を考慮して耐震裕度は動的設計加速度の約5倍あることが確認された。(3)ポンプの回転子-軸-軸受系の振動特性としてはポンプのwear ring部の流体減衰効果が大きいため、地震に対する励振効果を十分抑制できる。(4)wear ring部の流体間隙部を静止構造体とみなすより、回転による遠心力による加圧効果を考慮した方が回転子-軸-軸受系の動力学的特性を評価する精度が向上する。などが得られた。
幾島 毅; 石塚 宏; 井出 朗*; 早川 均*; 新貝 和照*
日本原子力学会誌, 22(1), p.55 - 67, 1980/00
被引用回数:3 パーセンタイル:41.98(Nuclear Science & Technology)黒鉛ブロックから構成された多目的高温ガス実験炉炉心の耐震研究の第1段階として、炉心構成要素である1本のコラムの1/2縮尺模型による振動実験を実施した。そして次の結果を得たので報告する。コラムはソフトスプリング特性と、境界との衝突によるギャップガタ系のハードスプリング特性を有する。衝突最大応答値は境界ギャップ幅の増加とともに増大する。上端ブロックのギャップ幅の増加はコラムの最大変位点を押し上げるが、上端ブロック重量増加はその逆の効果を有する。地震波入力に対する最大応答値は正弦波のそれの40~75%である。コラムの減衰定数は約30%であり、コラムの変位振幅の増加とともに大きくなる。シミュレーション解析値と実験値とは良く一致し、本文で示した解析法がブロック型燃料高温ガス炉炉心の地震応答解析法に有効であることがわかった。
高津 英幸; 清水 正亜
Nucl.Eng.Des., 60, p.297 - 309, 1980/00
被引用回数:2 パーセンタイル:33.85(Nuclear Science & Technology)巨大複合構造物に対する動的解析手法を提案する。この手法は、装置全体を構成要素に分割し、各要素毎に工学的に適切にモデル化した「簡略モデル」を作成し、これらを組み合わせて「装置全体モデル」を構築するというものである。「簡略モデル」は、装置の形状・重量を忠実に表現した「詳細モデル」の振動特性を十分良く近似すると同時に、可能な限り節点数を抑えたモデルであり、これらにより構築される「装置全体モデル」は、各要素の局部的な振動モードを含み、かつ節点数を抑える事ができるという特徴を有している。本手法を、現在原研が建設を進めているJT-60の耐震解析に適用した結果、耐震設計の観点から設計変更の必要なケ所を指摘する等、その有効性を発揮した。